専門用語

「わかりやすい」と真逆にあるのがおそらく専門用語をよく使う人だろう。

専門家は専門用語を当たり前に使う。
それが専門家というものだ。
毎日の日常がその用語で成り立っているので、その人にとってその言葉は日常的に使う言葉にすぎない。
だから専門家の中には、一般の人にわかりやすく話をするのが苦手な人が少なからずいる。
わかることは「この人は純粋に専門家なんだな」ということだけだ。

しかし、その専門用語を自己証明のために使う人もいる。
専門用語を使うのが専門家であるなら、自分が「専門家であるとアピールし、そう思い込みたい人」は専門用語を無駄に使うことがあるかもしれない。
男性ビジネスマンの中にはそういう人が少なからずいて、経済ニュースやビジネス雑誌で使われている専門用語をわざわざ使って「俺たち頭がいいんだぜ」と主張する頭の悪い人がいる。
女性でも必要のない健康やスピリチュアルの考え方にどんどん染まり、以前は知らなかった単語を使えている自分に酔っている残念な人がいる。

 

専門用語をわざわざ使う背景には、軸を持たないダメな人が自分を証明しようとアピールすることがある。

私は専門用語を作ってきた立場で、その数は莫大になる。
専門用語がなぜ作られるのか、なぜ作られなければならないのか?と考えたとき、もっとも適切に言えることは『これまでの概念と言葉では説明しきれないから』という答えになる。

大雑把であるほど、言葉はひとくくりになる。
感覚的な擬音語の「まったり」を覚えているだろうか。
もともと京言葉だった「まったり」はメディアの影響によって全国に広まり、味の食感を表す言葉が個人の状態を表す言葉の意味を持つようになった。
これまで表現もなければ、概念すらなかった状態が、言葉によって新しく定義付けされた。
これが、(専門)用語が生まれるときの理由になる。

 

だとするなら、専門用語をよく使う人は、その言葉以外では理解が難しい物事に対して「別の感覚と概念を持ち、場合によってはイメージできる」ということがわかる。
他の人よりも知覚が広く、別の角度から物事を見ることができるのではないか?と予想することができる。