「たかこ」と「すみれ」

音は言語ではない。だが言語は音だ。
文字は声の後に発明されたものだし、文字を読む時は脳の中で一度音声変換している。
擬音語から新しい概念が生まれることもある。最後に少しだけ音からわかる心理背景を見てみよう。

 

実名に該当する人がいたら申し訳ないが考えてみてほしい。
「たかこ」と「すみれ」、どちらがパステルカラーのストールを巻いているだろうか?どちらの方がキャリアウーマンだろう?もしかしてだが、「たかこ」がキャリアウーマン、「すみれ」がパステルカラーのストールと思ったのではないだろうか?この実験をすると多くの人がこの分け方をする。

 

誰に教えられたわけでもなく、示し合わせたわけでもないのになぜこんなことが起こるのか。
私たちは生まれてからまず「ぱ行」の発音をするとされている。
理屈のようなものがあるとすれば、おっぱいを吸う時の口の動きに近いからだろうか。
だが今度は理屈抜きで言えることだが、ぱぴぷぺぽの音を使う言葉は『幼稚』に聞こえる。
大の大人が肚を決めた時に使う音・・・のようには思えない。

 

他の音にも音感の特徴がある。「か行」と「た行」は『固い音』だと言われている。
「か行」の方が鋭利に尖った固さを、「た行」は四角くごつい固さの印象を持つ。
だから「たかこ」という名前は音感的に「固い」イメージがあり、パステルよりはキャリアを選択させる。

「すみれ」で注目するのは「さ行」と「ま行」で、さ行は爽やかさとある種の弱さを連想させる。

男で「しゅんすけ」という名前を持つならすごく爽やかで颯爽としているイメージを持たないだろうか。
だがそれがおじいちゃんだとしたら、なんとなく名前に合っていない気がする。
「ま行」は「な行」と並んで女性性を感じさせる音感だとされている。
「な行」の方がより若年、「ま行」の方がやや大人の女を連想させる。
だから「すみれ」という名前を聞くと、爽やかな女性を感じるのでキャリアよりはパステルを選択してしまう。